2007年06月17日

少年誌にイケメンは必要か(美男子を描く)

現代において、少年漫画の読者は少年だけではありません。
女の子も普通に少年漫画を読む時代になりました。
その新たな読者層を狙って、現代少年漫画には、必ずと言っていいほどひとりは美男子が登場します。
美男子が描けることは、少年漫画家にとっても、もはや立派なアドバンテージだと言えるようになったのです。

しかし、少年漫画誌で担当が付いた方なら分かると思うのですが、やはり第一に求められるものは、「かわいい女の子が描けること」です。
ここで問題になってくるのは、「かわいい女の子」の顔のかたちと、「格好よい男の子」の顔のかたちは、相反するものだということです。
担当さんに言われるままに、最初に「かわいい女の子」を描く術を身につけた漫画家(とくに男の)にとっては、美男子を描くことは非常に高い壁となって立ちはだかります。
しかし、だからといって、美男子を描くのを諦めるのは早計かとも思います。
先ほど描いた通り、美男子を描けることは非常に大きなアドバンテージになりますし、また、相反する顔型をうまく描けるようになることで、自分のキャラ造形に幅が生まれ、キャラの描き分けの上達にも繋がります。
なので、少年漫画家志望者さんたちも、一度は美男子を描くことに挑戦することをおすすめします。

まずは、美男子が描ける漫画家さんの絵をよく見て(別に格好いい男性の写真集などでもよいですが)、その顔の輪郭や、目鼻立ちのバランスを考えながら模写してみることが大切だと思います。


Inoue Takehiko illustrations
Inoue Takehiko illustrations


井上雄彦さんは、文句なしに美男子が描ける漫画家です。
(反面、井上さんの描く女性陣は、やや男受けしない絵柄になっていると思います。)
中学生時代、女子がきゃあきゃあ言いながらスラムダンクを読んでいるのを見て、なんだか不思議な感じがしたのを覚えています。
この本は、イラスト集としても非常にクオリティが高く、持っていて損はない一冊だと思います。

他にも、美男子がうまいと思う作家さんの画集をあげておきます。


BLEACH-ブリーチ-イラスト集
BLEACH-ブリーチ-イラスト集

日記書いてる場合じゃねえよ
日記書いてる場合じゃねえよ


久保帯人さん、安野モヨコさん、ともに美男子を描くのが非常にうまいです。
これら美男子に共通しているのは、鼻とあごの形だと思います。
鼻筋が高くて長く、あごのラインがすっきりしている、これが典型的な美男子の象徴ですね。
この二点を一番端的に表せるのは、横顔だと思います。
逆に、この二点、とくに鼻の高さを正面顔で表すのは、至難の業です。
まずは横顔で美男子に挑戦してみるのが、上達への近道なのではないでしょうか。

070811.jpg


ちなみに、直球勝負な、こんなタイトルの本もあります。
作者は女性作家さんですので、女性の好みを知る上で貴重な一冊だと思います。
いろいろなタイプ別の美男子が描かれているのも役立ちます。


美少年の描き方
美少年の描き方


余談ですが、修練の結果、美男子がうまく描けるようになったとしても、少年漫画誌で美男子を主人公に据えるのはやめておいた方が無難です。
「いちご100%」という漫画をご存知でしょうか?
少年週刊ジャンプ誌上で連載され、20巻近くのコミックスが発行された、なかなかのヒット作と言える作品です。
この作者、じつは「いちご100%」の前に、「りりむキッス」という漫画をジャンプ誌上で連載していたのですが、こちらは2巻分しか続きませんでした。
ふたつの漫画ともに、「主人公である男の子が、なにかと女の子にもてる」というラブコメの典型のようなストーリーなのですが、ふたつの漫画には、ひとつ決定的な違いがありました。
それは、主人公の格好よさです。
そうです、「りりむキッス」の主人公は、美男子だったのです。

少年漫画は、子どもたちに夢を与えてなんぼです。
「顔のいいやつが一番活躍する」という、おもしろくも何ともない現実をつきつけたのでは、読者の支持が得られなかったのも当然のことかもしれませんね(笑)
posted by 一〇 at 18:07| Comment(0) | TrackBack(0) | 人物 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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