2009年01月11日

立体世界の表現2(パースを使ったキャラ描写)

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背景技法のひとつとして紹介したパースですが、実は人体の中にもパースは存在します。
そのパースを上手く活用して人体を描けば、そのキャラクターは、実に生き生きとして見えることが多くあります。
とくに顕著なのは、アニメーターさんの絵ですね。
上手いアニメーターさんの絵などを見ると、パースの効いた人物描写の上手さに、思わず溜息がでます。
独特なアングルから捉えられたキャラクターは、別段変わった動作をしていなくても、とても魅力的に見えたものです。
と、同時に「いったいこれ、どうやって描いてんだよ…」と何度思ったことか(苦笑)

結論としては、描き方に正攻法はないと思います。
パースの効いた素晴らしい絵を多く見て、摸写するなどして、血肉としていくほかないでしょう。
"それなり"な描き方の初歩としては、上の私の絵みたいに、背景のパースにそのまんま人物のパースも乗せるという、思いっきり安易な描き方があります(笑)
見てのとおり、背景の洗濯ひもと同じようなパース上に、女性の拡げた腕があります(いや、厳密には違うパースに載ってますけど…)。
加えてパースの効いた絵に見せるコツは、カメラを人物の一部に思い切って近づけることだと思います。
上の絵で言うと、左腕の拳にカメラが寄っていますね(言う程思い切って寄ってませんけど…)。
当然、左腕の拳が一番大きく見えます。
そこから右腕の拳に向かうほど、見え方としては小さくなります。
このとき、サイズを主な関節ごとに分けて考えて、少しオーバー気味に描くといい感じがします。
拳を思いきり大きめにして、前腕、上腕、肩、そして反対側の腕を気持ち小さく…と言った具合です。
…とまあ、本当にいい加減なやり方ので、あくまで初歩の初歩のとっかかりとしてお考えください(笑)

何度も言いますが、一番良いのはやはり、上手いアニメーターさんの絵に触れることです。
私の絵とは比較にならないくらいの大胆なパースがつき、もちろんポーズも、より複雑なもので描かれています。
上手いアニメーターさんの絵に触れる資料として、最も良いものはGAINAXさんのアニメ原画集でしょう。


フリクリ原画集 Groundwork of FLCL
フリクリ原画集 Groundwork of FLCL

天元突破グレンラガン アニメーション原画集 第2巻
天元突破グレンラガン アニメーション原画集 第2巻

天元突破グレンラガン アニメーション原画集 第3巻
天元突破グレンラガン アニメーション原画集 第3巻


GAINAXの原画集は、その手の専門学校でも教科書として使われているくらいクオリティの高い原画集です。
イラスト好きなら、一日中眺めていても飽きないでしょう。
あの大ヒットアニメ『新世紀エヴァンゲリオン』の原画集も出ていますが、パースが効いているという点でいえば、こちらの『フリクリ』『天元突破グレンラガン』の原画集のほうがオススメです。

また、NHKで以前放送された『電脳コイル』というアニメの原画集も、個人的にはオススメです。
GAINAXの原画集に負けないくらい非常にクオリティが高く、GAINAXアニメより癖がなく素朴な絵柄なので、応用もききやすいです。


電脳コイル ビジュアルコレクション
電脳コイル ビジュアルコレクション


漫画家さんでは、有名どころでは『アイシールド21』の村田雄介さん、ちょっとマイナーで癖が強い作家さんでは中山敦史さん、鈴木小波さんなどが非常にパースの効いた絵を描かれていると個人的には思います。


トラウマイスタ 1 (1) (少年サンデーコミックス)

グレゴリーホラーショーアナザーワールド (モーニングKC)
グレゴリーホラーショーアナザーワールド (モーニングKC)


いろいろ紹介してきましたが、一番大事なのはこれらを見るだけじゃなく、これらを活かして描けるようになること、つまりインプットしたものをアウトプットできるようになることです。
そのためには、質と量、どちらも重視しながら絵を描かなければなりません。
アニメーターさんの絵を描く量は、正直尋常じゃないです。
しかもその絵のひとつひとつが、アニメーションを構成するとても大切なものです。
でも、だからこそ上手くなるのです。
私を含む下手糞絵描きは、そのことを深く心に刻んで、日々絵に取り組んでいきたいものです。
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2007年08月13日

立体世界の表現(パースを使った背景)

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漫画家をめざす者ならば、パースには誰もが悩まされた経験があるのではないのでしょうか?
パースとは、パーステクティブ(perspective)の略で、美術用語で「遠近法」のことを指します。
漫画用語中では、さらに限定して「透視図法」のことを指すことも多いようです。

パースは、主に背景(とくに自然物以外)を描くときに役立ちます。
物の位置関係を正確に把握するには、必須ともいえるでしょう。
プロの漫画家さんのアシスタント募集要項にも「パースをある程度理解していること」などの条件が規定されていることが多いです。
そんな重要なパースを理解するためには、どういったものを参考にすればよいか?
わたしも色々な本を買ってみましたが、やはりこの本が一番理解しやすかったように思います。


パース塾―画力がメキメキUPする!いちばん簡単な遠近法講座
パース塾―画力がメキメキUPする!いちばん簡単な遠近法講座

パース塾2 実践編 いちばん簡単な遠近法講座
パース塾2 実践編 いちばん簡単な遠近法講座


この本は、アイレベルなどの基本事項から三点透視図法まで、各項目ごとに大きくページが割かれているので、とても理解しやすい構成になっています。
レベルもそんなに高くないので、初心者にもおすすめです。
1で基本事項を理解し、2で実践的なこと勉強すると効率的かと思います。
上の私の絵は、一番簡単な一点透視図法で描いたものですが、大抵の漫画背景は、一点、二点の透視図法で事足りると思います。
というか今の自分の力では、三点透視図法はまだうまく漫画の背景として活用できませんね…(苦笑)
いつかもっと複雑な視点からの背景を描いてみたいです。

また、背景の上達には、魅力的と思える背景に触れ、「こんな背景が描きたい」という意志を持つことが重要になってくるのではないでしょうか。
以下の本には、透視図法を応用した、魅力的な背景が描かれています。


時をかける少女ARTBOOK―山本二三と絵映舎の世界
時をかける少女ARTBOOK―山本二三と絵映舎の世界


この本には、名作アニメーション「時をかける少女」に使用された背景が収録されています。
彩色された背景画はもちろん、彩色前の線画も収録されていますので、とても勉強になります。
また、以下の本には、okamaさんの描く不思議な世界観の背景が収録されています。
こちらにも、パースが効果的に用いられています。
気に入った背景を模写(トレスではない)するなどすると、より力がつくはずです。


コミッカーズアートスタイル〈2〉世界観の見せ方
コミッカーズアートスタイル〈2〉世界観の見せ方


パースは奥が深いですが、まずは基本的な事をしっかり理解することが大切だと思います。
それから「こんな背景が描きたい」という明確な目標をもって、より複雑な背景へとチャレンジしていきましょう。
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2007年08月09日

かんたんクリンナップ(ライトボックスという秘密兵器)

鉛筆の下描きでは上手く見えるのに、ペンで清書するとなんかおかしい…。

漫画を描いていて、そういう想いを持ったことはないでしょうか?
そういう人は、まだペン使いの技術が未熟であるとともに、誤った線をペンで清書している可能性があります。
鉛筆で下描きを描く際、何重にも重ねて線を引いていませんか?
しかし絵として狂いのない線は、あなたが重ねて描いた線の中のほんのわずかな部分だけなのです。
それを、線のたくさんある下描きから見つけるのは至難の業だと思います。

そこで役立つのがこのライトボックスです。



コミックマスタートレーサー A4


コミックマスタートレーサー B4


デリーターライトボックスCF-B4




別名トレス台とも言います。
これはその名の通り、中にライト(電灯)が内蔵された台です。
この上で絵を描くと、ライトに照らされ、描いたものが見やすくなるという、シンプルながら効果は絶大なマシン(?)です。
おそらくほとんどの漫画家さんが所有しているのではないかと思います。
描いた絵を別の紙に写す、ということもこれがあれば簡単にできてしまいます。

このライトボックスを使うと、下描きの完成度をあげることができます。
これをクリンナップといいます。
文字通り「きれいに仕上げる」という意味ですね。
やり方は簡単、絵を写すのと一緒で、下描きの上に紙を一枚貼付け、ライトの明かりで透かされた下描きを鉛筆でなぞるだけです。
このとき、引く線はきれいな一本線のみです。
ここで多重線を引いてしまっては何の意味もありません。
そうして出来上がった絵を見てみれば、最初の下描きよりかなり完成度の高いきれいな絵に仕上がっているはずです。
(このとき、尖った鉛筆を用いると、さらに完成度は高くなります)
今度はそれを原稿に写すなりして、ペン入れをしてみましょう。
線の少ない下絵に、文字通りなぞるだけのペン入れを行えば、完成した絵は見違えるできばえになっていると思います。


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上記は、私の絵によるクリンナップ例です。
左がクリンナップ前のラフ画、右がクリンナップ後の鉛筆画です。
線が少なくなることによって、ペン入れの精度がずいぶんと向上します。



こうしたクリンナップはかなり手間ですが、プロのイラストレーターさんなどは当たり前に行っていることです。
下記DVDで、人気イラストレーターokamaさんのイラスト制作風景には、実際にクリンナップの様子が収録されています。
また、このDVDは、イラストHow toものとしては出色の出来ですので、デジタルイラストに興味のある人などは持っていて損はないと思います。


デジ絵の文法
デジ絵の文法


もちろん、クリンナップはそれなりに手間がかかるので、時間との戦いとも言える漫画家の作画すべてにクリンナップを用いることは不可能に近いでしょう。
ですが、ここぞ、という場面を描くには、クリンナップは最適の方法だと思います。
下描きとペン入れ後の絵の完成度にギャップを感じている方は、是非クリンナップを試してみてください。
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2007年07月03日

いちばん簡単なキャラづくりの方法(メガネ男子・メガネ女子)

現代の漫画において、最も重要な要素といえるものが「キャラクター」です。
「キャラが弱い」とかいう、あの「キャラ」のことです。
個性や特徴などと言い換えてもいいでしょう。
たとえば、ネーム会議などに、同じような面白さのふたつの漫画がかけられたなら、確実にキャラの強い方が評価されます。

キャラづくりには、いろんな方法が用いられます。
たとえば、『ドラゴンボール』の孫悟空は「オラ」という第一人称を使います。
これは「口癖」でキャラづけをしています。
『魔人探偵脳噛ネウロ』の桂木弥子は、なによりもたべることが好き、という「嗜好」でキャラづけをなされています。
こうした、いわば中身(ネーム)におけるキャラづくりも大切ですが、見た目(絵)においてもキャラづくりは大事です。

見た目におけるキャラづくりは、描き分けの技術と直結します。
かくいう自分は、見た目でキャラに個性を持たせることが大の苦手です。
平々凡々な人物しか描くことができません。
絵の趣味指向も、どちらかといえばリアル指向ですので、不自然な顔のパーツや奇抜な髪型を使うことにもやや抵抗を覚えてしまいます。
そんな僕と同じような悩みを持つ人間にとって、一番かんたんな見た目におけるキャラづくりの方法は、キャラにメガネをかけさせることです。
一見地味な解決法ですが、顔に装飾物がついている、ということは、意外にインパクトがあるものです。
メガネをかけている人が「メガネくん」というあだ名を付けられることが多々あるのがよい例でしょう。
平凡な人物も、メガネをかけさせれば、少なくとも「メガネをかけたやつ」というキャラクターがつくのです。
実際に、さまぁ〜ずの大竹さんは、キャラ作りのためにメガネをかけています。
もともと全然目も悪くないのですが、キャラクターが弱かったので、事務所から「メガネをかけろ」と言われたそうです。
そんなメガネを描くときに参考になるのがこれです。


アイウエア・スタイルブック
アイウエア・スタイルブック


この本には、いろいろな種類のメガネが載っているので、とても便利です。
しかし、鼻当てやつるの部分など、写真では分かりにくい部分の構造を実際に確認するためにも、ひとつは実物を持っておいた方がいいと思います。
最近のメガネは安価で、しかも短時間で入手できますので、ケチケチせずに購入しておくと、リアルなメガネの感覚をつかむのに非常に役立ちます。

次に、実際にメガネをかけている人物ばかりが載っている写真集を男女別に紹介します。


メガネ男子
メガネ男子

メガネマガジン
メガネマガジン

ビジョメガネ
ビジョメガネ

ガールズメガネ
ガールズメガネ


上2冊が男子、下2冊が女子です。
こうした写真集は、メガネをかけた人物を描くときにとても役立ちます。
「キャラにメガネをかけさせるだけじゃないか」と思われる方も多いかと思いますが、実際に描いてみると案外難しいものです。
正面顔ならまだ簡単ですが、横向き、斜め向きになると、メガネは複雑な様相を呈してきます。
やはりしっかりしたものを描くには、上記の参考資料を用いた方が確実です。

しかし、こうした本が発行されていることからも分かるのですが、最近メガネはちょっとしたブームになっているようです。
また、こうしたブームには、漫画の中のキャラが一役買うこともあるようです。
最近の例では、『ハチミツとクローバー』に出てくる真山というメガネキャラが人気で、その影響からか銀縁メガネとふわふわパーマの男性が好きだという女性が一時期増えたのだとか…。
どうせならハチクロの真山のように、現実にも影響を与えるくらいの、魅力的なメガネキャラがつくれるといいですね。
posted by 一〇 at 18:47| Comment(0) | TrackBack(0) | 衣装 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする