2009年09月30日

カタチから入りましょう(オススメ漫画用具あれこれ)

カタチから入ってしまう人っていませんか?
たとえばスポーツなら、まだ始めてもいないのに、ウェアだけはお洒落で機能的なものを購入してしまう人、シューズだけは最新の一級品を履いてしまう人、etc…。
じつは、私もそうです(笑)
腕前は未熟なくせに、ついついカタチから入ってしまうんです。
漫画に関してもそうです。
まだまだド下手糞なくせに、道具だけは一丁前に色んなものを買い漁りました。
本当にうまい人は、道具にはあんまりこだわってないものなんですけどね。
だけど、おかげで自分なりに、お気に入りの役に立つ漫画用品たちを見つけることができました。
今回は、私が見つけた「これがいい」と思うアイテムを、僭越ながら紹介していこうと思います。
私のように、技術に自信がなく、まだまだ未熟な漫画描きさんたちにとっては、もしかしたら強い味方になってくれるかもしれません。
(各用具についての所感は、あくまで個人的、主観的なものですので、その旨ご了承ください。)



まずはペンです。
Gペンは、なんといってもゼブラでしょう。
ペン先に弾力があり、やわらかいので、なめらかで綺麗な線がひけます。
といっても、自分の場合は技術が未熟なので、全然綺麗ではないですが…。
でも、他のメーカーのGペンに比べると、格段に描きやすいです。
カタチから入る私は、もちろんすべてのペン先を試しました(笑)

ゼブラ コミックGペン(10本入)
ゼブラ コミックGペン(10本入)

ゼブラ Gペン先  (100本入り)
ゼブラ Gペン先 (100本入り)

丸ペンは、タチカワがいいなと感じました。
丸ペンの中でも、一番細い線が描けると感じたからです。
また、ペン先が硬いので、斜線が好きな私には均一な斜線を引きやすくも感じました。
ペン先の硬さの分だけガリガリいってしまう感じはありますが、慣れれば問題はありません。

タチカワ 丸ペン 5本入り
タチカワ 丸ペン 5本入り

カブラペン、スクールペンは初心者向けです。
私も最初は使っていましたが、漫画用ペンは普通のペンとは違うものなのだ、ということを理解しはじめると、Gペンの方が使いやすくなってきましたので、今ではまったく使っていません。
余談ですが、冨樫義博さんや安野モヨコさんはカブラペンを使っているそうです。



続いてペン軸です。
ペン軸は、タチカワのラバーグリップ付きがいいなと思いました。
定番のT-25でもいいのですが、こちらはラバーグリップがついていますので、シャーペン等でラバーグリップに慣れている人にはおすすめです。
また、付属の透明キャップが、収納時に意外に役立ちます。

タチカワ フリーサイズペン軸 T-40(ラバーグリップ)
タチカワ フリーサイズペン軸 T-40(ラバーグリップ)



次はインクですが、まずはカイメイレタリングゾルです。
井上雄彦さんもこのインクを愛用しているのですが、このインクの特徴は、通常のインクより"黒が濃い"ことです。
この点は、実際に目で見た際に、非常にアドバンテージになると思います。
photoshopなどの画像ソフトでイラスト(とくにモノクロ)のカラー調整をやったことがある人は経験あると思いますが、コントラストを強くすると、それだけでイラストが良くなったように見えます。
それだけ、"黒がはっきりする"ということは、イラストを上手く見せる点で重要なことなのです。
消しゴムをかけたら絵がショボく見えるのも同じ原理です。
消しゴムのせいで黒が薄くなってしまったからです。
その点このカイメイレタリングゾルは、もともと黒が濃ゆく、加えて速乾性も高いため、消しゴムをかけたときのガッカリ感が少なく感じられます。
同じくカイメイのドローイングゾルもありますが、こちらのほうが黒が濃いのでおすすめです。
ぜひ一度試してみてください。

開明 レタリングゾル 30ml
開明 レタリングゾル 30ml

そして、さらに黒が濃い、もうこれ以上ないくらい純黒なんじゃないかっていうのがこちらのドクターマーチンブラックスター(マット)です。
これはホントに黒さが違いますので、実際に目で見て欲しいです。
ただし、ひとつ弱点があります。
印刷された際に、黒過ぎて潰れてしまう恐れがあるということです。
通常漫画雑誌は、実際の色味よりも少し黒を強くして印刷されます。
ですので、もともと強い黒がより強くなってしまって、潰れてしまうというわけです。
photshopなどの画像ソフトで、コントラストを強くしすぎてしまった状態に近いでしょう。
しかし、まだ印刷どうこうの段階ではない漫画描きさんにとっては、強い味方になってくれるかもしれません。
こちらもぜひ試してみてください。

ブラックスター(1オンスビン)29.5ml
ブラックスター(1オンスビン)29.5ml



次にホワイトです。
基本的には定番のミスノンで問題ないでしょう。
専用の筆が付いていて使いやすいですし、なにより乾くのが早いです。
ライオン、ガンジーと異なるメーカーから同名の商品が出ていますが、どちらも大差ありません。

修正液 ミスノン(油性インキ用) W-400
修正液 ミスノン(油性インキ用) W-400

ところで、修正液をつけると、黒インクが赤身を帯びて修正箇所を浸食してしまった、ということはないでしょうか?
これを「ブリード現象」といいます。
ボールペンインクなど、一部の黒インクに反応しておこってしまうようです。
こちらに対応する為に、一つは持っておきたいのがブリードプルーフホワイトです。
ブリード現象をおさえる効果を持っていますので、非常に便利です。
速乾性が弱いのが難点ですが、ミスノンでブリード現象が起きてしまった時の最終手段に、もってこいの一品です。

ブリードプルーフホワイト(1オンスビン)29.5ml
ブリードプルーフホワイト(1オンスビン)29.5ml

同じく、ひとつは持っておきたいのがペンホワイトです。
こちらは、漫画用ペン先につけて描けることができるタイプになっています。
ミスノン筆よりも細かい部分を修正したい場合、また、黒地に白で絵を描きたい場合など、役に立ってくれることが多いアイテムです。

ペンホワイト(1オンスビン)29.5ml
ペンホワイト(1オンスビン)29.5ml



最後に、ベタ用品です。
ベタを塗ると、ムラができてしまったり、あるいは紙がテロテロになってしまったりした経験はないでしょうか?
印刷にはでませんが、生原稿がテロテロになってしまうのは印象が悪いですし、気分的にも凹んでしまいます。
そこでおすすめなのが、ゼブラのマッキーとハイマッキーです。
ハイマッキーはマッキーの太いバージョンですね。
これは誰もが目にしたことがあるであろう定番アイテムなんですが、実はこれ、かなり黒の質感がマットなんです。
なので、テカテカにならずムラもできにくいし、丸まりも少ない。
ぜひ一度試してみてください。
注意すべきなのは、似たような形のマジックで代用してはいけない、ということです。
マットなのは、あくまで「マッキー」と「ハイマッキー」のみです。
他のマジックで同じ色味は出ませんので、注意してください。

ゼブラ油性マーカー ハイマッキー(太)黒
ゼブラ油性マーカー ハイマッキー(太)黒



…とまあ、基本的な用具に関してはこんなものですがいかがでしょうか。
もう一度言っておきますが、これらはあくまで、個人的、主観的な所感になります。
私と同じく、絵を描くのに四苦八苦している他の漫画描きさんが、お気に入りの漫画用品に出会うのに、少しでもお役に立てれば幸いです。
が、あくまで一番大事なのは自分の技術向上ですので、あまりカタチにばかりこだわって、そちらをおろそかにしてしまわないようにしましょう。
私もそうならないよう努力します…(苦笑)
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2009年01月12日

紙の中の花鳥風月(木を描く)

kinosita.jpg

漫画の背景を描いていると、誰しもが一度は自然物を描く経験をしているのではないでしょうか?
その中でももっともポピュラーなものは、やはり木でしょう。
よほど室内に限定した舞台の漫画を描かない限り、木は必ずと言っていいほど目につくはずです。
逆に言うと、背景のちょっとした空きに困ったときには、木を描いておくとそれなりに空白を埋めることが出来ます。
(もちろん、TPOはある程度考えなくてはいけませんが)

この木、簡単なようで案外難しいものです。
どういう形で、どこまで描き込めばいいのか…迷うこともしばしばあります。
そこで、それぞれを一度ここで詳しく考えてみましょう。

木はおおまかに、幹、枝、葉の3つの部分に分けられます。
一番描きやすいのは、幹です。
上記の私の絵のように、樹皮をしっかり描き込めば、結構それなりに木に見えるかと思います。
コツは、まず基本的な樹皮の流れを決めることです。
上記の絵の場合は、縦に流れをとっています。
たまに横やナナメの線を入れることで、樹皮のはがれをあらわしたり、あるいは黒く塗りつぶして窪みのように見せることで皮目をあらわしたりすると、よりリアリティが生まれるかと思います。
もうひとつのコツは、光源を意識しながらコントラストを強くすることです。
詳しく言えば、暗い部分は思い切って黒く塗るということです。
上の絵で言うと、光は左側からあたっていますので、必然的に幹の左側は明るく、右側にいくほど暗くなります。
つまり、左側は樹皮の流れをおおざっぱに、右側は細かく描くのです。
そうすれば幹に関しては、結構それなりに見えるものが描けるでしょう。
ただし、これは近景の場合です。
遠くにある木の幹に、ひとつひとつ陰影を意識した樹皮を描いていくと、間違いなく画面がうざったくなります。
遠くにある場合は、幹はサラッと描くか、あるいは真っ白か真っ黒で問題ないでしょう。

つづいて、枝と葉ですが、これは描きたい木の種類にもよるかと思いますので、場合によっては枝を描く必要はないかもしれません。
『ONE PIECE』のように、幹の上に葉っぱの帽子がスポッと覆いかぶさったような、いわゆるブロッコリーのようなかたちの木でも、作品にマッチしていれば全く問題ありません。
そうでない木を描きたいならば、見本となるべき木を良く見るべきでしょう。
もっと言えば、一度は木の写真などをトレスしてみることです。
枝は幹からどのようにして突き出しているのか、葉は枝にどのようにして生えているのか、影はどの部分につくのか…etc。
いろんなことを意識しながら、木のつくりをじっくり観察してください。

個人的に思う一番スマートな木の描き方は、黒と白だけで描く方法です。
木の影となる部分、つまり暗く見える部分を、黒く塗りつぶすのです。
その際のポイントは、葉っぱのかたちを意識して影を黒く塗るということです。
これも、一度写真をトレスして試してみるといいでしょう。
あとはそのままでもいいし、上からトーンを貼ってもかまいません。
逆に、私の絵のように斜線を交えて描くと、結構ごちゃごちゃしてしまいます。
私はごちゃごちゃしているのが好きなのでこう描いているのですが(笑)、キャラを潰しかねないのであんまりおすすめできません。
遠景では、葉っぱの形をあまり描きすぎず、トータルでバランスを考えた方がいいでしょう。
遠景の葉を描き込みすぎると、画面的に汚くなるのがオチです。
葉全体の輪郭だけ描いて、あとはトーンを貼るとか、均一に斜線を引くなどして、あまり手を加えすぎない方が無難です。


木を含めた自然物の基本的な描き方については、やはりこの本がオススメです。
鉛筆画ではありますが、陰影の捉え方は、とても参考になるものがあります。

スーパーデッサン 風景編
スーパーデッサン 風景編

あとは、『よつばと』の背景もすばらしいですね。
フリーハンドの極致です。
おそらく、写真など実物の色の濃淡をしっかり観察して描かれていると思います。
8巻のどんぐり拾いの話の、公園の木の描かれ方なんかはもう凄いですね。
トーンが一切使われていないにも関わらず、かなり写実的な背景に仕上がっています。
かなりデフォルメされたキャラとの対比が絶妙です。

よつばと! 8 (電撃コミックス)
よつばと! 8 (電撃コミックス)

ともかく自然物のコツは、陰影です。
陰影をどれだけそれなりに正しく見えるように描けるかだと、自分は思っています。
近景では、影の部分をしっかり黒く描く。
遠景では、トータルの濃淡のバランスをしっかり考える。
それだけで、リアリティはずいぶん違ってくると思います。
そうした陰影の基本をおさえつつ、写実性を追求するなり、デフォルメを加えてみるなりと、各自それぞれのアレンジを加えながら、魅力ある木が描けていけたらいいですね。
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2009年01月11日

立体世界の表現2(パースを使ったキャラ描写)

05282.jpg

背景技法のひとつとして紹介したパースですが、実は人体の中にもパースは存在します。
そのパースを上手く活用して人体を描けば、そのキャラクターは、実に生き生きとして見えることが多くあります。
とくに顕著なのは、アニメーターさんの絵ですね。
上手いアニメーターさんの絵などを見ると、パースの効いた人物描写の上手さに、思わず溜息がでます。
独特なアングルから捉えられたキャラクターは、別段変わった動作をしていなくても、とても魅力的に見えたものです。
と、同時に「いったいこれ、どうやって描いてんだよ…」と何度思ったことか(苦笑)

結論としては、描き方に正攻法はないと思います。
パースの効いた素晴らしい絵を多く見て、摸写するなどして、血肉としていくほかないでしょう。
"それなり"な描き方の初歩としては、上の私の絵みたいに、背景のパースにそのまんま人物のパースも乗せるという、思いっきり安易な描き方があります(笑)
見てのとおり、背景の洗濯ひもと同じようなパース上に、女性の拡げた腕があります(いや、厳密には違うパースに載ってますけど…)。
加えてパースの効いた絵に見せるコツは、カメラを人物の一部に思い切って近づけることだと思います。
上の絵で言うと、左腕の拳にカメラが寄っていますね(言う程思い切って寄ってませんけど…)。
当然、左腕の拳が一番大きく見えます。
そこから右腕の拳に向かうほど、見え方としては小さくなります。
このとき、サイズを主な関節ごとに分けて考えて、少しオーバー気味に描くといい感じがします。
拳を思いきり大きめにして、前腕、上腕、肩、そして反対側の腕を気持ち小さく…と言った具合です。
…とまあ、本当にいい加減なやり方ので、あくまで初歩の初歩のとっかかりとしてお考えください(笑)

何度も言いますが、一番良いのはやはり、上手いアニメーターさんの絵に触れることです。
私の絵とは比較にならないくらいの大胆なパースがつき、もちろんポーズも、より複雑なもので描かれています。
上手いアニメーターさんの絵に触れる資料として、最も良いものはGAINAXさんのアニメ原画集でしょう。


フリクリ原画集 Groundwork of FLCL
フリクリ原画集 Groundwork of FLCL

天元突破グレンラガン アニメーション原画集 第2巻
天元突破グレンラガン アニメーション原画集 第2巻

天元突破グレンラガン アニメーション原画集 第3巻
天元突破グレンラガン アニメーション原画集 第3巻


GAINAXの原画集は、その手の専門学校でも教科書として使われているくらいクオリティの高い原画集です。
イラスト好きなら、一日中眺めていても飽きないでしょう。
あの大ヒットアニメ『新世紀エヴァンゲリオン』の原画集も出ていますが、パースが効いているという点でいえば、こちらの『フリクリ』『天元突破グレンラガン』の原画集のほうがオススメです。

また、NHKで以前放送された『電脳コイル』というアニメの原画集も、個人的にはオススメです。
GAINAXの原画集に負けないくらい非常にクオリティが高く、GAINAXアニメより癖がなく素朴な絵柄なので、応用もききやすいです。


電脳コイル ビジュアルコレクション
電脳コイル ビジュアルコレクション


漫画家さんでは、有名どころでは『アイシールド21』の村田雄介さん、ちょっとマイナーで癖が強い作家さんでは中山敦史さん、鈴木小波さんなどが非常にパースの効いた絵を描かれていると個人的には思います。


トラウマイスタ 1 (1) (少年サンデーコミックス)

グレゴリーホラーショーアナザーワールド (モーニングKC)
グレゴリーホラーショーアナザーワールド (モーニングKC)


いろいろ紹介してきましたが、一番大事なのはこれらを見るだけじゃなく、これらを活かして描けるようになること、つまりインプットしたものをアウトプットできるようになることです。
そのためには、質と量、どちらも重視しながら絵を描かなければなりません。
アニメーターさんの絵を描く量は、正直尋常じゃないです。
しかもその絵のひとつひとつが、アニメーションを構成するとても大切なものです。
でも、だからこそ上手くなるのです。
私を含む下手糞絵描きは、そのことを深く心に刻んで、日々絵に取り組んでいきたいものです。
posted by 一〇 at 19:15| Comment(0) | TrackBack(0) | 人物 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2007年08月13日

立体世界の表現(パースを使った背景)

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漫画家をめざす者ならば、パースには誰もが悩まされた経験があるのではないのでしょうか?
パースとは、パーステクティブ(perspective)の略で、美術用語で「遠近法」のことを指します。
漫画用語中では、さらに限定して「透視図法」のことを指すことも多いようです。

パースは、主に背景(とくに自然物以外)を描くときに役立ちます。
物の位置関係を正確に把握するには、必須ともいえるでしょう。
プロの漫画家さんのアシスタント募集要項にも「パースをある程度理解していること」などの条件が規定されていることが多いです。
そんな重要なパースを理解するためには、どういったものを参考にすればよいか?
わたしも色々な本を買ってみましたが、やはりこの本が一番理解しやすかったように思います。


パース塾―画力がメキメキUPする!いちばん簡単な遠近法講座
パース塾―画力がメキメキUPする!いちばん簡単な遠近法講座

パース塾2 実践編 いちばん簡単な遠近法講座
パース塾2 実践編 いちばん簡単な遠近法講座


この本は、アイレベルなどの基本事項から三点透視図法まで、各項目ごとに大きくページが割かれているので、とても理解しやすい構成になっています。
レベルもそんなに高くないので、初心者にもおすすめです。
1で基本事項を理解し、2で実践的なこと勉強すると効率的かと思います。
上の私の絵は、一番簡単な一点透視図法で描いたものですが、大抵の漫画背景は、一点、二点の透視図法で事足りると思います。
というか今の自分の力では、三点透視図法はまだうまく漫画の背景として活用できませんね…(苦笑)
いつかもっと複雑な視点からの背景を描いてみたいです。

また、背景の上達には、魅力的と思える背景に触れ、「こんな背景が描きたい」という意志を持つことが重要になってくるのではないでしょうか。
以下の本には、透視図法を応用した、魅力的な背景が描かれています。


時をかける少女ARTBOOK―山本二三と絵映舎の世界
時をかける少女ARTBOOK―山本二三と絵映舎の世界


この本には、名作アニメーション「時をかける少女」に使用された背景が収録されています。
彩色された背景画はもちろん、彩色前の線画も収録されていますので、とても勉強になります。
また、以下の本には、okamaさんの描く不思議な世界観の背景が収録されています。
こちらにも、パースが効果的に用いられています。
気に入った背景を模写(トレスではない)するなどすると、より力がつくはずです。


コミッカーズアートスタイル〈2〉世界観の見せ方
コミッカーズアートスタイル〈2〉世界観の見せ方


パースは奥が深いですが、まずは基本的な事をしっかり理解することが大切だと思います。
それから「こんな背景が描きたい」という明確な目標をもって、より複雑な背景へとチャレンジしていきましょう。
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2007年08月09日

かんたんクリンナップ(ライトボックスという秘密兵器)

鉛筆の下描きでは上手く見えるのに、ペンで清書するとなんかおかしい…。

漫画を描いていて、そういう想いを持ったことはないでしょうか?
そういう人は、まだペン使いの技術が未熟であるとともに、誤った線をペンで清書している可能性があります。
鉛筆で下描きを描く際、何重にも重ねて線を引いていませんか?
しかし絵として狂いのない線は、あなたが重ねて描いた線の中のほんのわずかな部分だけなのです。
それを、線のたくさんある下描きから見つけるのは至難の業だと思います。

そこで役立つのがこのライトボックスです。



コミックマスタートレーサー A4


コミックマスタートレーサー B4


デリーターライトボックスCF-B4




別名トレス台とも言います。
これはその名の通り、中にライト(電灯)が内蔵された台です。
この上で絵を描くと、ライトに照らされ、描いたものが見やすくなるという、シンプルながら効果は絶大なマシン(?)です。
おそらくほとんどの漫画家さんが所有しているのではないかと思います。
描いた絵を別の紙に写す、ということもこれがあれば簡単にできてしまいます。

このライトボックスを使うと、下描きの完成度をあげることができます。
これをクリンナップといいます。
文字通り「きれいに仕上げる」という意味ですね。
やり方は簡単、絵を写すのと一緒で、下描きの上に紙を一枚貼付け、ライトの明かりで透かされた下描きを鉛筆でなぞるだけです。
このとき、引く線はきれいな一本線のみです。
ここで多重線を引いてしまっては何の意味もありません。
そうして出来上がった絵を見てみれば、最初の下描きよりかなり完成度の高いきれいな絵に仕上がっているはずです。
(このとき、尖った鉛筆を用いると、さらに完成度は高くなります)
今度はそれを原稿に写すなりして、ペン入れをしてみましょう。
線の少ない下絵に、文字通りなぞるだけのペン入れを行えば、完成した絵は見違えるできばえになっていると思います。


070810.jpg0708101.jpg
上記は、私の絵によるクリンナップ例です。
左がクリンナップ前のラフ画、右がクリンナップ後の鉛筆画です。
線が少なくなることによって、ペン入れの精度がずいぶんと向上します。



こうしたクリンナップはかなり手間ですが、プロのイラストレーターさんなどは当たり前に行っていることです。
下記DVDで、人気イラストレーターokamaさんのイラスト制作風景には、実際にクリンナップの様子が収録されています。
また、このDVDは、イラストHow toものとしては出色の出来ですので、デジタルイラストに興味のある人などは持っていて損はないと思います。


デジ絵の文法
デジ絵の文法


もちろん、クリンナップはそれなりに手間がかかるので、時間との戦いとも言える漫画家の作画すべてにクリンナップを用いることは不可能に近いでしょう。
ですが、ここぞ、という場面を描くには、クリンナップは最適の方法だと思います。
下描きとペン入れ後の絵の完成度にギャップを感じている方は、是非クリンナップを試してみてください。
posted by 一〇 at 14:14| Comment(0) | TrackBack(0) | 描画法概論 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする